1線地絡時の起誘導電圧の導出

送電線に1線地絡事故が起きた時、通信線に起誘導電圧\(V_{m}\)が生じる。通信線に生じる単位長当たりの誘導電圧を\(e(t)\)とすると

\begin{align}
e(t)=\frac{d \phi(t)}{dt}
\end{align}

通信線と送電線間の相互インダクタンスを\(M\)とすると

\begin{align}
\phi(t)=M i(t)
\end{align}

であるので

\begin{align}
e(t)=\frac{d \phi(t)}{dt}=\frac{d M i(t)}{dt}
\end{align}

送電線に流れる電流が\(i=I_{m} \sin \omega t\)であるとすると

\begin{align}
e(t)=M \frac{d I_{m} \sin \omega t}{dt}=\omega M I_{m} \cos \omega t
\end{align}

障害が起きている送電線との平行距離を\(D\)とすると全体の誘導電圧\(\dot{V}_{m}\)は

\begin{align}
\dot{V}_{m}= j \omega MD \dot{I}_{m}
\end{align}

誘導電圧\(\dot{V}_{m}\)の大きさ\(V_{m}\)は

\begin{align}
V_{m}= \left \| j \omega MD \dot{I}_{m} \right \| =\omega MD I_{m}
\end{align}

最後に、\(\omega=2 \pi f\)より

\begin{align}
V_{m}= 2 \pi f MD I_{m}
\end{align}

を得る。

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