比例微分先行型PID制御系の伝達関数\( T(z^{-1}) \)を求める。\( z^{-1} \)は\( z^{-1}f(t) = f(t-1) \)を満たすような演算子である。
ここで\( \Delta \)を
\begin{align}
\Delta=1-z^{-1}
\end{align}
のように定めれば、単純なPID制御系は
\begin{align}
C(z^{-1})= K_{p} + \frac{K_{i}}{\Delta} + K_{d} \Delta
\end{align}
となる。ここで\( K_{p},K_{i},K_{d}\)をそれぞれ比例、積分、微分ゲインを示す。
I-PD制御系は二つのフィードバック系が組み合わさりできている。いま制御対象に最も近いフィードバック系を\(T_{1} \)とすると
\begin{align}
T_{1} (z^{-1})= \frac{G(z^{-1})}{1+C_{2}(z^{-1})}
\end{align}
ここで、\( G(z^{-1}) \)は制御対象の伝達関数、\( C_{2}(z^{-1}) \)はPD制御器である。
次に系全体の伝達関数を求める。全体の伝達関数\(T(z^{-1})\)は
\begin{align}
T (z^{-1})= \frac{G(z^{-1}) C_{1} (z^{-1} )}{1+ G(z^{-1} ) \{ C_{1}(z^{-1}) + C_{2}(z^{-1}) \}}
\end{align}
ここで\( C_{1}(z^{-1}) \)はI制御器である。\( C(z^{-1}) = C_{1}(z^{-1}) + C_{2}(z^{-1}) \)を考慮して整理すれば
\begin{align}
T (z^{-1})= \frac{G(z^{-1}) }{1+ G(z^{-1} ) C (z^{-1}) } \frac{K_{i}}{\Delta}
\end{align}
を得る。
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