離散系の積分器

古典制御の範囲では制御対象や制御器を表現する場合にはラプラス変換を用いて\(s\)の関数として表した。例えばPID制御の一部である積分器は

\begin{align}
K_{i} \int_{0}^{t} e(\tau) d \tau
\end{align}

で与えられ、ラプラス変換は当然

\begin{align}
\frac{K_{i}}{s}
\end{align}

となる。

一方でマイクロコントローラなどを使う場面においてはこれを離散化し計算したほうが都合がいい場合がある。

いま、シフト演算子\(z^{-1}\)を定義する。これは\(z^{-1}\ f(t) = f(t-1) \)を意味する。これを用いれば前述の積分器は

\begin{align}
\frac{K_{i}}{\Delta}
\end{align}

することができる。ここで\(\Delta\)は\(\Delta=1-z^{-1}\)を表す。サンプル時間を\(T_{s}\)として最も単純な離散積分として計算すれば

\begin{align}
K_{i} T_{s} \sum_{t=0}^{T} \left \{ r(t) – y(t) \right \}
\end{align}

となる。

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