初期値の定理

時間関数\(x(t)\)について、\(t=0\)の値をラプラス変換により得られた結果\(X(s)\)より直接求める場合初期値の定理を用いると便利である。

\begin{align}
\int_{0}^{\infty} \dfrac{dx(t)}{dt} e^{-st} dt = sX(s) – x(0)
\end{align}

両辺の極限をとって

\begin{align}
\lim_{s \to \infty} \int_{0}^{\infty} \dfrac{dx(t)}{dt} e^{-st} dt =\lim_{s \to \infty} \left \{ sX(s) – x(0) \right \}
\end{align}

ここで左辺は明らかに

\begin{align}
\lim_{s \to \infty} \int_{0}^{\infty} \dfrac{dx(t)}{dt} e^{-st} dt =0
\end{align}

より
\begin{align}
\lim_{s \to \infty} \left \{ sX(s) – x(0) \right \} = 0
\end{align}

これより

\begin{align}
\lim_{s \to \infty} sX(s) = \lim_{t \to 0} x(t)
\end{align}

を得る。この結果を初期値の定理という。

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